肥満細胞腫について

「 肥満細胞腫 」とは

肥満細胞腫は犬猫の皮膚に発生する悪性腫瘍の一つです。皮膚の腫瘍の中では特に多くみられる腫瘍のひとつです。
犬の皮膚腫瘍の7%~20%、猫では全腫瘍の15%にもあります。
不充分な切除では再発・転移を繰り返してしまうとても厄介な腫瘍として知られています。

原因

肥満細胞腫の原因ははっきりとはわかっていません。平均発症年齢は9歳とされていますが、高齢ペットには発症しやすいがんともいえます。それは、免疫力の低下も関係している可能性も考えられます。ただし、若齢犬猫でも発症することから、品種による素因も考えられています。

症状

皮膚に腫瘍が現れるのが一般的です。ただし、その形やでてくる症状は様々です。しこり、腫れ、虫刺されのようなポツンとしたものや脂肪腫のようなやわらかい塊など症状はさまざまです。
犬では、ボストン、テリア、ボクサー、ブルドッグなどに多く、胴から後半身、四肢によくみられます。
猫ではシャムに多く、頭から頸部によく見られます。
以下のような症状が見られたときにはお気を付けましょう。

✔毛が抜ける
✔皮膚が荒れている
✔皮膚にしこりができて出血している
✔皮膚の一部が蚊に刺された跡のように赤くなって腫れている

治療方法

肥満細胞腫の治療はグレードや診断時の進行具合によって様々ですが、主に下記の3つとなります。
■薬物療法
肥満細胞腫に対して手術前後で使われる薬剤としては、プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド剤、
各種抗ヒスタミン剤、抗がん剤(ビンブラスチン、ロムスチン等)、分子標的薬(イマチニブ、マシチニブ、トセラニブ等)があります。
肥満細胞腫の治療に用いられてきた、イマチニブ(グリベック)、マシチニブ(キナベット)(日本未発売)を総称して、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)と呼びますが、いずれもKIT蛋白の異常による腫瘍の「増殖スイッチ」を「オフ」にして肥満細胞腫を治療することができます。
■外科療法
まだ転移していない肥満細胞腫の場合は外科手術で根治できます。
ただし、グレードが 2 以上の肥満細胞腫は、目に見えないレベルで腫瘍細胞が周囲の組織に浸潤しているため、
完全に切除するためには、腫瘍の周囲正常組織をつけた状態で腫瘍を摘出する必要があります。
■放射線療法
外科手術だけでは腫瘍が完全に取り切れない場合には、残存した腫瘍細胞を根絶するために放射線療法を用います。
強力なX線で体の腫瘍細胞を殺してしまいます。放射線治療は正常細胞と腫瘍細胞は放射線の感受度の違いによって、
ダメージを最小限に抑えます。

予防

実は、肥満細胞腫の予防は困難です。腫瘍がまだ小さく移転していない段階で早期発見し、早期治療に努めることが重要になります。体内に肥満肥満細胞腫ができた場合は発見が大変難しいです。食欲低下や嘔吐、下痢などの体調の異常が続く場合は、動物病院で診てもらうようにしてください。